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支援事例「物」を運ぶのではなく、「想い」を運ぶ会社へ_ブランド価値の再定義_山梨通運様

「物」を運ぶのではなく、「想い」を運ぶ会社へ

山梨通運様 ブランド価値の再定義・採用ブランディング支援事例


山梨の産業を支える、創業120年の総合物流会社

山梨通運様は、山梨県に根ざした総合物流会社です。
精密機器のような小さなものから、桃やぶどうなどの山梨の農作物、甲州ワインの瓶まで、地域に必要な物流を幅広く担っています。

倉庫業務も配送業務も行う、まさに山梨の産業を支える総合物流企業。
創業120年を超える老舗企業でありながら、時代に合わせた設備投資や人材育成にも積極的に取り組んでいる会社です。


課題は、物流業界に対するネガティブな先入観

一方で、支援前には大きな課題がありました。
それは、物流業界に対するネガティブな先入観です。

物流業界には、いわゆる「3K」のイメージがあります。
きつい、帰れない、プライベートがない。
重いものを運ぶ、体力的に大変、男性的な職場である。

そうした業界全体のイメージが、山梨通運様にも重なって見られていました。


実際は、社員を大切にする会社だった

しかし、実際の山梨通運様は、そのイメージとは大きく異なる会社でした。

社員の働きやすさを大切にし、アフターファイブや趣味の時間も楽しめるようにする。
ゴルフ部、グルメ部、チョークアート部、弓道部など、社員の趣味や好きなことをサークル活動として応援する。
一人でも部活動を立ち上げることができ、活動に必要な費用も会社が支援する。

そこには、**「社員を大切にする会社でありたい」**という強い姿勢がありました。


価値はあるのに、伝わる導線が途切れていた

それにもかかわらず、その価値は十分に伝わっていませんでした。

ホームページは長年更新されておらず、会社の個性や人柄、働く環境の良さがほとんど見えていない状態でした。
合同説明会や企業ガイダンスには意欲的に参加しているのに、学生がブースの前で足を止めてくれない。
興味を持ってくれた人がホームページを見たときに、会社の今の姿が伝わらない。

つまり、会社の中には確かな価値があるのに、その価値が求職者のもとまで届く水路が途切れていたのです。


まずは、物流業界そのものを理解することから始めた

きっかけデザイン研究所では、まず物流業界そのものを理解するところから支援を始めました。

運送業と物流業の違い、競合他社の特徴、顧客が感じている課題、求職者が持つ先入観。
そうした外部環境を整理しながら、山梨通運様ならではの価値を発掘していきました。


見えてきた強みは、荷物の事故率の低さ

その中で見えてきた大きな特徴が、荷物の事故率が極めて低いということでした。

一見すると、それは単に「物流品質が高い」という話に聞こえるかもしれません。
しかし、掘り下げていくと、その背景には山梨通運様らしい本質がありました。


社員を丁寧に扱うから、荷物も丁寧に扱われる

山梨通運様は、特別な技術だけで荷物を丁寧に扱っているわけではありません。

社員を丁寧に扱っているからこそ、社員もその先にいるお客様や荷物を丁寧に扱う。
社員を大切にする姿勢が、最終的な物流品質につながっている。

この構造こそが、山梨通運様の価値の源流でした。


テクノロジー導入の裏側にも、社員への想いがあった

IoTを導入した倉庫や、デジタルタコメーター、アルコールチェックの機械化なども、単なるIT化ではありません。

人がやらなくてもいいことはテクノロジーに任せ、短縮できる作業は短縮する。
そして、その分だけ社員に早く帰ってもらう。

設備投資の裏側にも、社員を大切にする思想がありました。


地域へ還元する姿勢も、山梨通運らしさ

また、地域への貢献活動も徹底されていました。

小学校への寄付や地域に向けたCSR活動を継続し、自社の利益を自社だけに閉じ込めるのではなく、地域へ還元する姿勢を大切にしていました。


ブランドコンセプトは「想いを運ぶ」

私たちは、こうした山梨通運様の価値を、
「『物』を運ぶのではなく、『想い』を運ぶ」
という言葉に整理しました。

これは、外向きに飾るための言葉ではありません。
山梨通運様が長年大切にしてきたことを、改めて社内外に伝わる形にした言葉です。


社員への想いが、お客様への品質につながっている

社員を大切にする。
その社員が荷物を大切にする。
その先のお客様の想いまで大切に運ぶ。

この一連の流れを、ホームページや採用サイトの中で伝わるように設計していきました。


合同説明会で、学生が足を止めるように

その結果、合同説明会や企業ガイダンスでの反応にも変化が生まれました。

これまで素通りされることが多かったブースで、ホームページのビジュアルやコピーをモニターに映し出すと、足を止める学生が圧倒的に増えたと伺っています。


創業120年で初めて、女性新卒社員が入社

また、創業120年で初めて女性の新卒社員が入社するという変化も生まれました。

物流業界に対する先入観を超えて、山梨通運様の働く環境や価値観が届き始めた象徴的な出来事です。


採用ブランディングは、ホームページの外へ広がった

さらに、山梨通運様の採用ブランディングは、ホームページだけにとどまりませんでした。

同社には、弓道部があります。
もともと社内の部活動の一つでしたが、ヒアリングの中で**「弓道がやりたくて山梨通運に入社した人がいる」**という話を伺いました。


見えてきたのは「弓道難民」という未解決のニーズ

そこから見えてきたのが、いわゆる「弓道難民」の存在です。

高校時代に弓道をやっていたけれど、大人になると続けられる場所がない。
弓道場が必要で、道具も簡単には揃えられず、フットサルやバスケットボールのように気軽に社会人サークルを見つけられない。
やりたい人はいるのに、続ける環境が少ない。

一方で、山梨通運様には弓道部があり、弓道を続けられる環境がありました。


社内の部活動を、未来の採用接点へ

そこで私たちは、社内の弓道部を閉じた活動にするのではなく、外部にも開かれたオープンサークルのような場に育てていくことを考えました。

いきなり採用につなげるのではなく、まずは弓道を通じて山梨通運という会社を知ってもらう。
一緒に弓を引く時間の中で、会社との関係性を育てていく。
その先に、将来的な雇用や採用の可能性をつくっていく。

これは、短期的な採用施策ではありません。
未来の採用母数を広げるための、長期的な関係づくりです。


弓道大会は、抽選になるほどの人気イベントへ

その取り組みとして、山梨通運様とともに弓道大会の運営にも関わっています。

大会は今年で3回目を迎え、県内外から多くの参加希望者が集まる大会へと成長しています。
短期間で300人規模の応募が集まり、抽選でなければ参加できないほどの大会になっています。

さらに、クリエイティブ面でも評価をいただき、広告賞を受賞するなど、採用活動の枠を超えた広がりも生まれています。


目指したのは、弓道における「東京マラソン」のような場

目指しているのは、単なる企業主催のスポーツイベントではありません。

上級者も初心者も参加したくなる、弓道における東京マラソンのような存在。
弓道を続けたい人、再開したい人、興味を持つ人が集まる場をつくり、その母数の中から山梨通運様との接点を育てていく。


採用とは、求人票を出して待つだけではない

採用とは、求人票を出して待つだけではありません。

自社の価値と、社会にある未解決のニーズをつなぐことで、未来の採用につながる関係性を育てることもできます。

山梨通運様の事例は、まさにその可能性を示す取り組みです。


きっかけデザイン研究所が行ったこと

きっかけデザイン研究所が行っているのは、単にホームページをつくることではありません。

企業の中にある価値の源流を見つけ、その価値がどこで断絶しているのかを点検し、顧客や求職者に届く水路をつなぎ直すことです。

価値があるだけでは、届きません。
言葉にし、見える形にし、伝わる導線を設計してはじめて、採用や売上、広報といった成果につながっていきます。


会社の誇りを再発見し、採用と地域接点へ広げた事例

山梨通運様の支援は、物流業界のイメージを変えるだけでなく、会社の中にあった誇りを再発見し、それを採用と地域との接点へ広げていった事例です。

「物」を運ぶのではなく、「想い」を運ぶ。

その言葉を起点に、山梨通運様らしい採用ブランディングは、今も広がり続けています。